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昭和40年以前の家は、ほとんど和室でドアはありません。玄関や外廻りは木製建具、ガラス戸、あるいは板戸。内は障子、ふすま。もちろん、町内の建具職人の手によるものでした。
ドアは外部と遮断するもので、開けた状態は不始末、家の内のドアは家族同士を遮断します。良い子が育ちません。一方、玄関の引き戸は、人を招きます。引き戸は時々の用に合わせた空間をつくり出します。閉めても開けても、取り払ってもいずれも正常な形です。障子越しに子どもたちは、大人の会話や、やりとりをおぼろげに感じ、聞きながら成長します。常に一緒にいるという安心感をもたらします。障子の明けたてや、座ってのお辞儀などの躾もできます。
躾とは身を美しくする、立ち居振る舞いを正しく導くことです。玄関のアルミや鉄の大きなドアは、いかにも外と遮断するバリアです。次々に家の玄関がすべてドアにされた時、果たして地域のコミュニティーは保たれるのでしょうか。私たちは家に住んでいるのではなく、この地域に住んでいるのです。町の建具職人の手の音が、今にも消えそうです。
2021-01-18 10:50:34
第16回 引き戸のお話 | コメント(0)
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