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第8回 木のアクを抜く

第8回 木のアクを抜く

木のアクを抜く

昔は、山で切った丸太を“いかだ”に組んで運びました。川が最も重要な輸送手段であり、交通手段でもありました。現在はトラックが普及し、大変便利になると同時に、木材にとって、実は大変重要な『アク抜き』という手順を奪ってしまいました。

木材は、『アク抜き』をすると虫がつきにくく、腐れにくく、色も良くなります。また、『水中乾燥』という言葉が示すように、木も乾燥しやすくなります。

その昔、安来の清水寺に使われる木は、中海で3年、真水で3年『アク抜き』したそうです。ただ、塩分の濃い水は海の貝虫が、真水では真水の貝虫がそれぞれ木に付きやすいのです。汽水は、その点で優れており、中海や昔の東京の木場は汽水でしたので、大変優れた貯木場であったのです。

私はベイ松丸太は、水中貯木した材を買いますが、木の白太の痛みも遅く、明らかに『アク抜き』の効果が見てとれます。

世の中、便利さの影で大変重要なことを失っていくひとつの事例でもあります。

木のアクを抜く

2021-01-18 10:33:23

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